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津地方裁判所 平成8年(わ)156号 判決

裁判所書記官

石堂義隆

本店所在地

三重県鈴鹿市野町六九六番地

株式会社三商

(右代表取締役 鈴木孝)

本籍

三重県鈴鹿市稲生西一丁目一万五二九番地

住居

同県同市稲生西一丁目三番二五号

アルコマンション一〇〇一

会社役員

鈴木孝

昭和一九年二月二二日生

右の者に対する各法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官下川徳純出席の上審理して、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社三商を罰金一三〇〇万円に、被告人鈴木孝を懲役一〇月にそれぞれ処する。

被告人鈴木孝に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社三商は、三重県鈴鹿市野町六九六番地に本店を置き、食料品販売等を目的とする株式会社、被告人鈴木孝は、同会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人鈴木は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、発送配達費を水増しし、架空に計上し、雑収入を除外するなどの方法により所得を秘匿した上

第一  平成三年七月一日から同四年六月三〇日までの事業年度における被告人会社の実際の所得金額が一億〇三二六万〇八二〇円あったにもかかわらず、同年八月三一日、三重県鈴鹿市神戸九丁目二四番四五号所轄鈴鹿税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が五八六六万八七四四円でこれに対する法人税額が二〇三二万七八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額三七〇四万九八〇〇と右申告税額との差額一六七二万二〇〇〇円を免れ

第二  平成四年七月一日から平成五年六月三〇日までの事業年度における被告人会社の実際の所得金額が一億〇一一三万七四三七円であったにもかかわらず、同年八月三一日、前記鈴鹿税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が五八五六万一七七二円でこれに対する法人税額が二〇八七万六三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額三六八四万二三〇〇円と右申告額との差額一五九六万六〇〇〇円を免れ

第三  平成五年七月一日から平成六年六月三〇日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が一億〇〇八八万一五四四円であったにもかかわらず、同年八月三一日、前記鈴鹿税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四七八二万五六五一円でこれに対する法人税額が一六七六万二二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額三六六五万八二〇〇円と右申告額との差額一九八九万六〇〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全部の事実につき

一  当公判廷における被告会社代表者及び被告人鈴木孝の供述

一  記録中の証拠等関係カード(検察官請求分)甲1ないし40、乙2ないし8の各証拠

(法令の適用)

一  罰条 判示各事実につき(被告人両名)

法人税法一五九条一項、二項(被告会社につきさらに同法一六四条一項

一  刑種の選択 被告人鈴木につき所定刑中懲役刑を選択する。

一  併合罪加算 平成七年法律第九一号による改正前の刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(被告人鈴木孝につき犯情の重い判示第三の罪の刑に法定加重)、四八条二項(被告人会社)

一  執行猶予 (被告人鈴木)前同刑法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 上本公康)

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